深淵教典

人の在り方

クリスマスプレゼント。定められた予算は二千円。この枠の中で何を選ぶべきか。クリスマスにちなんだ贈り物か、日常に馴染む実用品か。刹那の悦楽をもたらす菓子するか。答えは見えない。俺は“電脳海(インターネット)”へと潜った。だが、この海は俺の肌に...
深淵教典

禁則事項

カラオケ――未知の領域へ足を踏み入れる以上、準備は必要だ。俺はカラオケの作法について調査を開始した。まず、序盤は盛り上がる曲を選べ。バラードなどという選択は、もってのほか。次に、自分しか知らぬ曲を歌うのは禁忌。孤独な旋律は、場を凍てつかせる...
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聖夜の試練

ファミレスの一角に集い、ドリンクバーと山盛りポテトを囲む。俺たちは何度、この時を繰り返すのか。街は聖夜へむけて、祝祭の気配に包まれ始めている。そんな中、異端の六芒星はある決断を下した。カラオケでのクリスマス会だ。ケーキを食べ、プレゼントを交...
深淵教典

消えゆく闇

俺の闇の力が、徐々に輝きを失いつつある。力を持たぬ者が、果たして深淵教典を記す資格を持つのか?答えは否。深淵を覗けぬ者に、その資格はない。だが、不思議と焦燥はなかった。それでいいとさえ思っている自分がいる。……力をすべて失った時、俺は俺でい...
深淵教典

沈黙する四つの影

今日はラーメンの日。ドリーマーは予定があり、五人での出陣となった。電車に乗り、流れ去る景色を眺めながら揺られる。放課後に都会へ向かうと、大人になったような気分になる。目的地は、グラトニーが誇るとっておきの店。電車の中でファングがどんなラーメ...
深淵教典

至高の一杯

気温が下がり、濃厚な味を欲するようになった。この身が求めるのは、ラーメン。グラトニーに声をかけると、以前とは別の「とっておきの店」へ案内してくれるという。彼のとっておきは一体いくつあるのか。隠し持つ切り札は多いほどいい。そういうことなのかも...
深淵教典

祝福の刻

今日は部室でディスパーサー先輩の生誕祭をした。荘厳な祝宴に相応しきケーキを用意するには、制約があった。冷蔵庫がなく、授業中に保管する場所がなかったのだ。なので、俺たちはケーキ屋の門を叩くことを断念した。代替案として、コンビニで買うこととなっ...
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光を灯す

冬の気配が忍び寄る頃、美術室の微かな温もりが心を満たす。ガーディアン先輩の筆が静寂を裂き、淡々と色を塗っていた。そこに描かれていたのは、空を翔る一羽の鷲。勉強の合間の息抜きか、それとも別の意図があるのか。問いかけようとしたその時、別の方向か...
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世界の選択

街はハロウィンの装飾品がちらほら見受けられた。果たしてどれほどの者が、この祭の本質を理解しているのか。企業の思惑に踊らされる操り人形が大半だろう。そう考えると、どこか冷めた気持ちになる。それはそれとして、俺たちは”甘美なる宴(ケーキ・バイキ...
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甘味の宴

夏の終焉とともに幕を開けた狂騒の日々。文化祭、体育祭、そして中間考査――次々と押し寄せる波に飲まれ、気づけば時間は刹那の如く過ぎ去っていた。そんな慌ただしさもひと段落し、久方ぶりに異端の六芒星たちと集うこととなった。目的地は甘味の宴。「ケー...