今日は始業式だった。
教室に足を踏み入れた瞬間、肌に馴染んだ空気が流れ込む。
見慣れた光景のはずなのに、どこか違う。
体育館で校長の言葉が響く。ただの音の羅列に過ぎず、意識に刻まれることはない。
担任の声も同様だ。形式的なやり取りに、特筆すべきものは何もない。
始業式が終焉を迎える頃には、得体の知れない疲労が全身を支配していた。
僅か半日、それだけのはずなのに。
夏に失われた力が、完全には戻っていないのだろう。
今日は早く眠る。
身体を休めることも、鍛錬の一環だと運動部でも言われている。無理に動き続ければ、身体は変調をきたす。
己の限界を見極め、時に休息を取る。これが真の強者の在り方。