冬の気配が忍び寄る頃、美術室の微かな温もりが心を満たす。
ガーディアン先輩の筆が静寂を裂き、淡々と色を塗っていた。
そこに描かれていたのは、空を翔る一羽の鷲。
勉強の合間の息抜きか、それとも別の意図があるのか。
問いかけようとしたその時、別の方向から声が響いた。
「私への誕生日プレゼントだよ」
ディスパーサー先輩だった。
今週の金曜日が、彼女の誕生日だそうだ。
鷲の威厳に満ちた姿に、僅かな羨望を抱く。
「祝ってくれてもいいんだよ?」と軽く笑うディスパーサー先輩。
その言葉が冗談なのか本心なのかはわからなかったが、俺はディスパーサー先輩に祝福を捧げる事にした。
ふと、他の先輩たちの誕生日が気になり尋ねてみた。ガーディアン先輩とファインダー先輩は、3月の終わりに生まれたらしい。
春休み中のなので祝われる機会はないということだ。
ならば、この二人にも俺が祝福を捧げよう。
闇に葬られし生誕の日に光を灯すと決めた。
