冬休みに入った。
俺は歌の修練に没頭するあまり、贈り物を用意できていなかった。
そんな時、ガーディアン先輩がクリスマスプレゼントを買いに行くというので、俺も同行した。
都会はすでに聖夜の幻想に包まれていた。
まばゆい光に覆われ、人々は浮かれ騒ぐ。
俺たちは迷いなく目的の店へと向かった。
俺はアロマキャンドルを手にし、先輩は思案の末、お菓子を選んだ。
買い物を終え、喫茶店に立ち寄った。
コーヒーの熱に体に馴染んだ頃、俺は配慮に欠けた質問をしてしまった。ディスパーサー先輩とファインダー先輩のどちらかのことを好きなんですかと。
先輩の動きが止まる。
ゆっくりとカップを置き、指を組むと、普段とは違うかっこいい表情で告げた。
「あの二人は友達だ」
それ以上、何も言わせないという迫力。
ガーディアン先輩は、あの二人との今の関係性を何よりも大切にしているのだろう。
まるで、俺と六芒星の関係のように。
余計な詮索をしたことを詫び、話題を変える。
どうやってあの二人をクリスマス会に誘ったのか。そう尋ねると、先輩はあっさりと答えた。
「俺は誘ってない。誘われたんだ」
先輩が主導しているものだと思っていた。
すでに壁を越えた存在になったかと思っていたが、まだ道半ばということか。
先輩たちとのクリスマス会、想像するだけで楽しそうだった。
もちろん、六芒星との集いも待ち遠しい。
正直、両方に参加したい。
選択肢があるということは、それだけ俺が恵まれている証拠なのだろう。
