歪む刻の法則

深淵教典

もうじき、夏が臨界点を迎える。
太陽が大地を焦がし、陽炎が揺らめく季節。
今年は時の流れが早く感じられる。

重力は時を歪めるそうだが、俺が重力系の能力に目覚めたわけではない。

なぜかはわかっている。

俺の世界に友と呼べる存在が現れたからだ。

楽しい時間は刹那に消え、退屈な時間は停滞する。

それがこの世界の法則だ。

未来に何が待ち受けようとも、彼らと交わる時間があると思うと前へ進む力が湧いてくる。

俺はこの感覚を何と呼ぶのか、わからなかった。

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