宿命

深淵教典

異端の六芒星たちと集う、お馴染みの空間。その名はファミリーレストラン。
そろそろ、この集いに相応しい名を考えるべきかもしれない。
話題は文化祭。
彼女たちのクラスはお化け屋敷を創り上げるという。
その言葉に、僅かな羨望が芽生えそうになる。

「休憩所? それって何が楽しいの?」
彼女たちは訝しむ。
そして、サイファーが言った。「何か別の案を提案すればよかったのでは?」

甘い。
この世界には、提案した者に課せられる宿命がある。
誰もがそれを知っていた。
だから、俺たちは沈黙を選び、”休憩所(ベルフェゴール・ルーム)”という業を背負うことにしたのだ。

来週から、彼女たちは文化祭の準備に入るため、この場には集えないという。
おそらく、俺たちも休憩所の創造に追われることになるのだろう。
……たぶん。きっと。

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