軋む歯車

深淵教典

文化祭、体育祭が終わり、次に待つのは中間考査

今回はただの勉強会ではない。
体育祭の勝敗により、敗者である俺たちは勝者へ供物を捧げることが義務づけられていた。
その流れでヴァンガードもまた、いつものファミレスへと召喚された。

ヴァンガードから僅かに漂う苛立ちの気配。
ここにいることが、彼の意志ではなかったことは明白だった。
考えてみれば当然だ。
孤高の修練を好む彼が、テスト前のこの時期に呼ばれて喜ぶはずもない。

この集いを当然のことと考えていた俺たちの認識こそが、誤りだったのだ。

いくら時を重ねようとも、他者の全てを理解することなど不可能。
俺たちは彼の気持ちを察せなかった。

余計なことをした。

俺たちは、ヴァンガードに謝罪した。

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