文化祭前日。
俺はファインダー先輩とともに、空き教室に展示用の絵を飾った。
ディスパーサー先輩とガーディアン先輩は劇の最終調整だとかでここには来られない。
彼らが何を演じ、何を魅せるのか。その全貌は未だ闇の中。
「先輩たちの劇は何時から始まるんですか?」
結局、当の二人からは何も聞けなかったため、ファインダー先輩に尋ねる。
先輩は迷いなくタイムテーブルを教えてくれた。全四回公演。そのうち二回が先輩たちの出番だ。
しかし、演目の詳細は伏せられた。
「明日のお楽しみ」らしい。
ちなみに、ファインダー先輩のクラスはモザイクアートを展示するという。
モデルはこの学校の校舎。すでにエントランスに飾られているらしい。
さて、問題は先輩たちの劇をどの公演で観るか。
午前と午後、どちらを選ぶべきか。
先輩たちの体力を考慮すれば午前に見るのが得策か。
それとも、場数を踏んで緊張がほぐれた午後を狙うべきか。
両方観るという選択肢もある。
どちらにせよ記録は残さなければならない。
先輩たちの舞台が、過去の出来事となって消え去らぬように。
俺はスマートフォンの容量を確保し、録画の準備を万全にした。
