予感

深淵教典

文化祭の振替休日で今日は休みだった。
合法的に月曜日に学校へ行かなくても良いと思うと気分がいい。

特に目的もなく外へ出ると、世界はすでに秋の気配が漂っていた。

夏の灼熱が記憶の彼方へ追いやられ、気づけば季節は変貌しつつあった。
そんなことを考えながら歩いていたら、足がもつれた。

これは警告だ。
「お前は戦場で倒れる運命にある」と。

戦場――そう、今週末には体育祭が控えている。
俺は果たして、無事に生還できるのか?
もしや、今日の足のもつれは未来の失敗を暗示しているのではないか。
大縄跳び……最悪の形で記憶に刻まれる可能性は十分にある。


異端の六芒星のグループメッセージに新たなメッセージがきていた。

「どっちのクラスが勝つか勝負しようぜ」

俺が出るのはたった一種目。
いや、ほとんどの者がそうだ。
もはやこれは、己の力を持って競う戦いではない。

”他力本願な戦争(アザーズ・ウォー)“

興味のないイベントに勝負を持ち込み、楽しみを見出そうとする者たち。
その姿勢には一理ある感服が、それに乗るかはまた別の話

そう思っていたはずなのに、気づけば俺もその戦いに参加することになっていた。

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