中間テストという乗り越え、慌しかった日々は穏やかな日常へと回帰した。
だが、その日常の裏には、俺を縛る見えない鎖が存在する。それは、母上の”絶対的な支配(アブソュート・ルーラー)”。その束縛を断ち切るため、俺は新たな領域への踏み込むことを決意していた。それが、”労働”だ。
俺が選んだのは宅配会社の集配所。
人との対話を避け、機械的に仕分けを行うだけの仕事。
完璧だ。この場所ならば力を暴走しても問題あるまい。
ここだ……ここしかない。
直感が告げる。そこには俺が求める自由の欠片があると。
明日、電話をかける。それは、俺にとっての解放の第一歩となるだろう。