久しぶりに俺たちの馴染みのファミレスに集った。どうやら皆、この場所を特別な拠点として気に入っているようだ。俺は心の片隅で呟く。同じメニューばかりで飽きたりしないのか?
俺の労働への挑戦は終焉を迎えていた。
一週間以内に連絡すると告げられたが、沈黙を保ったままだ。だが、不思議と悲しみはなかった。むしろ解放感があった。これは決して負け惜しみではない。
きっと、面接官が俺の内なる闇を感じ取り、恐れをなしたのだろう。
それに、週3回の労働となれば部活の時間は削られ、今日のように異端の六芒星たちとの会合も危うくなる。金が必要なら短期の仕事を選べばいい。だからこれで良かったのだ。
そんな風に自分を納得させていが、今日の会話でドリーマーが切り出した。
「バイトの予定を組みたいから、みんなで集まる曜日を決めたい」
彼女は俺の一歩先を行ったようだ。だが、それが何だというのか。俺は決して悔しくなどない。
ただ、心の奥で闇が揺らめいたことは否定できない。
議論の末、集会の曜日は金曜日に決まった。ただし、毎週ではない。皆が自分の資金力を考慮し、慎重にならざるを得なかったのだ。
帰り際、グラトニーが唐突に提案した。
「今度、男三人でラーメン食べに行かない?」
ラーメン。
それは禁じられた快楽――
俺は再びバイト探しの旅に出なければならなくなった。宴の日が訪れるまでには必ず資金を手に入れてみせる。